ディープラーニング(Deep Learning/深層学習)とは、人の脳の神経回路をまねた仕組みを何層にも重ね、大量のデータから注目すべき点を自力で見つけ出させる機械学習の方法のことです。今日の生成AIや画像認識を支えている、中心的な技術にあたります。
現実世界に例えると、ディープラーニングはたくさんの写真を見るうちに、犬と猫の見分け方を自分で会得した子どものようなものです。「耳の形を見なさい」と教わったわけではないのに、数をこなすうちに、言葉にしにくい違いを掴んでいきます。
ディープラーニング図解
従来の機械学習との違い
| 項目 | 従来の機械学習 | ディープラーニング |
|---|---|---|
| 着目点 | 人が考えて与える | 自動で見つける |
| 必要なデータ | 比較的少なくてよい | 大量に要る |
| 計算の重さ | 軽い | 重くGPUが要る |
| 判断の説明 | 比較的しやすい | 難しい |
何が「深い」のか
元になっているのは、ニューラルネットワークと呼ばれる仕組みです。入力を受け取る層、答えを出す層、その間に挟まる層という積み重ねでできており、この中間の層を何層も厚く重ねたものが「深い」学習と呼ばれます。層が増えるほど、込み入った特徴まで捉えられるようになります。
人が着目点を教えなくてよい
これが最大の転換点でした。従来は「輪郭の角ばり具合を見る」といった着目点を、人があらかじめ考えて与える必要がありました。ディープラーニングでは、どこに注目すべきかもデータから学び取ります。人が言葉にできない微妙な違いまで扱えるようになったのは、このためです。
学習は手直しの積み重ね
学習の中身は、意外なほど素朴です。まず答えを出させ、正解とのずれを測り、そのずれが小さくなるように内部の数値を少しずつ直す。これを膨大な回数繰り返します。一回ごとの修正はごくわずかですが、積み重なることで少しずつ精度が上がっていきます。
データと計算力が要る
力を発揮するには条件があります。層が深くなるほど調整すべき数値が増え、学習には大量のデータと、それを処理し続ける計算力が欠かせません。GPUが必須とされるのはこのためで、同じ計算をまとめて並行に行える性質が、この学習と相性が良いのです。
身のまわりでの使われ方
すでに日常へ入り込んでいます。スマートフォンの顔認証、音声の書き起こし、写真の中の人物ごとの並べ替え、機械翻訳、そして文章や画像を作る生成AI。いずれもこの技術が土台にあります。医療の画像診断を補助する用途など、専門分野での活用も進んでいます。
判断の理由が見えにくい
使ううえで避けて通れない弱点です。内部は膨大な数値の集まりで、なぜその答えになったのかを人の言葉で説明することが難しく、しばしば「ブラックボックス」と呼ばれます。融資の審査や採用など、理由の説明が求められる場面では、この点が導入の壁になります。
学習データの偏りがそのまま出る
もう一つ、注意が要ります。学習に使ったデータが偏っていれば、その偏りをそのまま身につけてしまいます。特定の集団の写真ばかりで学べば、それ以外の見分けが苦手になります。技術の欠陥というより、与えたものがそのまま映し出されると考えたほうが、実態に近いといえます。


コメント