DaaS(ダース/Desktop as a Service)とは、パソコンのデスクトップ環境そのものを、クラウド上に用意して貸し出すサービスのことです。利用者は手元の端末から通信回線を通じて接続し、画面の向こう側にあるパソコンを操作する形で仕事を進めます。
現実世界に例えると、DaaSは貸しオフィスのようなものです。自分で建物を建てて机や書棚をそろえる代わりに、必要な数だけ整った席を借りて使い、不要になれば返す。設備の管理は貸す側が引き受けてくれます。
手元の端末は「窓口」になる
DaaSでは、実際の処理やデータの保存はすべてクラウド側で行われ、手元の端末は画面を映して操作を送るだけの役割になります。そのため、性能の高くないノートパソコンやタブレットからでも、重い業務システムを扱えます。
VDIとの違い
| 項目 | DaaS | VDI(自社構築) |
|---|---|---|
| 設備 | 事業者のクラウドを借りる | 自社でサーバーを用意する |
| 初期費用 | 抑えやすい | 大きくなりやすい |
| 運用の手間 | 事業者が担う部分が多い | 自社で担う |
| 台数の増減 | 短期間で調整できる | 設備の増設が必要 |
仮想デスクトップという仕組み自体は共通しており、それを自社で構築するのがVDI、クラウド事業者から借りるのがDaaSという関係になります。
導入されやすい場面
在宅勤務や出張先からの業務、短期間だけ人数が増える現場などで選ばれています。データが手元の端末に残らないため、紛失や盗難のときに情報が漏れにくい点も、導入の理由としてよく挙げられます。
代表的なサービス
マイクロソフトのWindows 365やAzure Virtual Desktop、アマゾンのAmazon WorkSpacesなどが知られています。いずれも利用した分や契約した台数に応じて料金を支払う形が基本です。
気をつけたいこと
DaaSは通信回線を前提とした仕組みのため、回線が不安定な場所では操作の反応が遅れたり、そもそも仕事にならなかったりします。また、長く使い続けると月々の費用が積み上がるため、自社で設備を持つ場合との比較検討が必要です。
まぎらわしい同じ略語
DaaSという略語には、データを提供するData as a Serviceや、端末そのものを貸し出すDevice as a Serviceという別の意味もあります。文脈によって指すものが変わるため、話が食い違っていないか確認しておくと安心です。
入退社の手続きが軽くなる
これまでは、社員が入るたびにパソコンを用意し、必要なソフトを入れて設定する作業が必要でした。DaaSでは利用者を登録するだけで、設定済みのデスクトップをその日から渡せます。退職の際も、環境ごと止めてしまえば手元に会社のデータが残りません。
端末の種類を選ばない
接続する側はWindowsのパソコンに限られません。MacやタブレットからでもDaaSの環境へ入れるため、社内で使う機器をそろえる必要が薄れます。私物の端末を業務に使う場合でも、仕事のデータを端末側に置かずに済むという利点があります。

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