グラフィックボード(Graphics Board)とは、画面に映す映像を作り出す処理を専門に受け持つ、パソコンの拡張部品のことです。「グラボ」「ビデオカード」とも呼ばれ、基板の中心にはGPUという専用の処理装置が載っています。
現実世界に例えると、グラフィックボードは絵を描く職人を大勢そろえた工房のようなものです。一人の万能な職人が順に描くより、単純な作業を分担していっせいに進めたほうが、大きな絵は速く仕上がります。
内蔵グラフィックスとの違い
| 項目 | 内蔵グラフィックス | グラフィックボード |
|---|---|---|
| 置き場所 | CPUの中 | 独立した基板 |
| 性能 | 軽い作業向き | 重い処理もこなせる |
| 消費電力 | 少ない | 多い |
| 費用 | 追加不要 | 数万円から |
なぜ別に用意するのか
書類の作成やWebの閲覧なら、パソコンに最初から備わっている機能で足ります。別に用意するのは、3Dのゲーム、動画の編集、設計図の作成、AIの学習といった、映像や計算の負荷が桁違いに大きい用途です。必要のない人が無理に足す部品ではありません。
ゲーム以外の使い道
近年、需要を押し上げているのはゲームではありません。同じ計算を大量に並行して行うという性質が、AIの学習や推論と非常に相性が良いためです。研究や開発の現場では、映像を映すためではなく計算をさせるために積まれることも珍しくありません。
専用のメモリを持っている
基板の上には、映像用のメモリが載っています。扱う画像が大きいほど、また画面の解像度が高いほど、この容量が効いてきます。足りないと処理そのものができなかったり、動きがかくつく原因になります。AI用途では特に、この容量が選定の決め手になります。
電源と大きさに注意
買う前に確かめたい点です。高性能なものほど電気を食うため電源装置の容量が足りないと動かず、基板が大きくてパソコンの箱に収まらないこともあります。補助電源のケーブルが必要な製品も多く、いま使っているパソコンへ後から足すときは特に注意が要ります。
発熱と動作音
電気を使うぶん、熱が出ます。大きなファンが回るため動作音が大きくなりやすく、箱の中の空気の流れが悪いと、熱がこもって性能が落ちることもあります。静かさを重視するなら、性能を少し落として発熱の小さい製品を選ぶのも一つの判断です。
選ぶときの見どころ
見る数字は多いのですが、順番があります。まず何をしたいかを決め、その用途で求められる性能の目安を調べ、次にメモリ容量、最後に電源と大きさが手持ちの環境に収まるかという順です。型番の数字が大きい=速い、とは限らない点にも気をつけてください。
外付けという選択肢
ノートパソコンでも使う方法があります。専用の箱に入れ、Thunderboltなどの高速な端子でつなぐ「外付けGPU」です。持ち歩くときは身軽なまま、机に戻れば高い性能を使えます。ただし内蔵に比べると性能は目減りし、箱のぶん費用もかさみます。
あわせて知っておきたい用語
- GPU:
映像や並列計算を担当する処理装置です。 - CPU:
パソコン全体の処理を受け持つ中心の装置です。 - VRAM:
グラフィックボードが持つ専用のメモリです。 - Thunderbolt:
外付けGPUの接続にも使われる高速な規格です。

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