LTS(Long Term Support、長期サポート)とは、ソフトウェアのあるバージョンについて、通常よりも長い期間、不具合の修正やセキュリティ更新を提供することを約束した提供形態のことです。「LTS版」と付いたバージョンは、長く安心して使い続けられることを意味します。
現実世界でいえば、家電製品の長期保証付きモデルのようなものです。通常モデルの保証が1年で切れてしまうのに対し、長期保証付きモデルなら5年間は無償で修理してもらえる、というイメージです。最新機能よりも「長く安心して使えること」を重視する人向けの選択肢です。
LTSが生まれた背景
ソフトウェアは次々と新しいバージョンが登場しますが、企業のシステムなどでは、頻繁にバージョンアップするのは大変です。動作確認やテストに手間がかかり、更新のたびに不具合が起きるリスクもあります。そこで「新機能は増やさない代わりに、修正やセキュリティ対策だけを長期間提供するバージョン」としてLTSが用意されるようになりました。
通常版とLTS版の違い
多くのソフトウェアでは、通常版(最新版)とLTS版が並行して提供されています。
| 種類 | 特徴 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 通常版 | 新機能がいち早く使えるが、サポート期間が短く、頻繁なバージョンアップが前提。 | 最新機能重視の新製品 |
| LTS版 | 新機能の追加は控えめだが、数年単位でセキュリティ更新や不具合修正が提供される。 | 長期保証付きの定番モデル |
LTSを選ぶメリット
業務システムやサーバーでは、LTS版を選ぶのが定番となっています。
- 長く安心して使える
数年間はセキュリティ更新が保証されるため、頻繁な乗り換えが不要です。 - 動作が安定している
新機能の追加が控えめなぶん、大きな変更による不具合が起きにくいです。 - 計画が立てやすい
サポート終了日があらかじめ公表されているため、次の移行時期を計画的に決められます。
LTSの代表例
LTSの仕組みは多くの有名ソフトウェアで採用されています。たとえばLinuxディストリビューションのUbuntuは2年ごとにLTS版を公開し、5年間の無償サポートを提供しています。プログラミング言語の実行環境であるNode.jsやJavaにもLTS版があり、業務での利用ではLTS版を選ぶのが一般的です。
LTSを使ううえでの注意点
LTSといってもサポートは永遠ではなく、期限が来れば更新は止まります。サポートが切れたバージョンを使い続けると、セキュリティの穴が放置され危険です。また、LTS版は最新機能が使えないことがあるため、「安定を取るか、新しさを取るか」を用途に応じて選ぶことが大切です。
あわせて知っておきたい用語
- バージョン:
ソフトウェアの版を表す番号。更新のたびに数字が増えていきます。 - アップデート:
ソフトウェアを新しい状態に更新すること。不具合修正や機能追加が含まれます。 - EOL(End of Life):
サポート終了のこと。EOLを迎えたソフトは更新が提供されなくなります。 - セキュリティパッチ:
セキュリティ上の欠陥を修正するための更新プログラムです。 - オープンソース:
設計図であるソースコードが公開されたソフトウェア。LTSを提供するものが多くあります。

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