アーカイブ(Archive)とは、ITの分野において主に2つの意味で使われます。1つは「複数のファイルやフォルダを一つにまとめること(書庫化)」、もう1つは「現在は使っていない古いデータを、将来のために長期間安全に保管すること」です。
システム開発やインフラ運用の現場では、主に後者の「データの長期保存」の意味で使われることが多く、コンプライアンス(法令遵守)や将来の監査に備えて、膨大なデータを低コストで保管する仕組みとして重要視されています。
「バックアップ」との違い
どちらも「データを別の場所に保存する」という点では同じですが、その目的と使い方が明確に異なります。現実世界の「書類整理」に例えると以下のようになります。
| 種類と目的 | 特徴と用途 | 現実世界に例えると |
|---|---|---|
| バックアップ (復旧のための備え) |
「現在進行形」のデータが壊れたり消えたりした際、すぐに元の状態に戻す(復旧する)ためのコピー。 | 手元の重要書類のコピー (コーヒーをこぼした時のために、机の引き出しにコピーを入れておく) |
| アーカイブ (記録のための保管) |
「もう更新しない」が、法律や社内規定のために消さずにとっておく必要のある過去の原本データ。 | 段ボール箱に入れて倉庫へ (数年前の決算書など、普段は見ないが絶対に捨ててはいけないものを倉庫の奥にしまう) |
システム開発における重要キーワード
サーバー運用やクラウド設計において、アーカイブに関連して頻出する用語です。
- tar(ター)/ zip(ジップ):
Linuxなどのサーバー環境で、バラバラの複数ファイルを1つの「アーカイブファイル」にまとめるためによく使われるコマンド(形式)です。システムを別のサーバーに引っ越す際や、プログラムを納品する際によく利用されます。 - コールドストレージ (Cold Storage):
AWSの「Amazon S3 Glacier」や、Google Cloudの「Cloud Storage Archive」などに代表される、アーカイブ用の超低価格なクラウド保存領域です。「毎月のデータ保管料は激安だが、いざデータを取り出そうとすると数時間かかったり、引き出し手数料が発生したりする」という、まさに現実の倉庫のような特徴を持ちます。 - ログのアーカイブ (Log Archiving):
システムに対して「誰が、いつ、どこからアクセスし、何をしたか」という記録(ログ)を、数ヶ月〜数年間にわたって保存しておく運用ルールです。万が一情報漏洩などのセキュリティ事件が起きた際、過去に遡って原因を調査するために絶対に欠かせない仕組みです。

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