ワンタイムパスワード(One Time Password)とは、一度しか使用できない使い捨てのパスワードのことです。略して「OTP」とも呼ばれます。ログインのたびに新しい文字列が発行され、一度使うと無効になるため、パスワードが盗まれても不正利用されにくいという特徴があります。
現実世界に例えると、使い捨てカイロのようなものです。一度開封して使い始めたら、その回限りで役目を終え、次に使うときはまた新しいものを用意する必要があります。ワンタイムパスワードも同様に、毎回異なる新しいコードが発行される仕組みになっています。
ワンタイムパスワードの仕組み
通常のパスワードは、本人が決めた文字列を使い回すのに対し、ワンタイムパスワードは決められた時間ごと、あるいはログインのたびに、システムが自動的に新しいコードを生成します。このため、仮に第三者に一度番号を見られてしまっても、次回以降はその番号が使えず、不正ログインを防ぐ効果があります。
発行方法の種類
- SMS認証
登録した携帯電話番号宛に、都度SMSでコードが送られてくる方式。 - 専用アプリ(認証アプリ)
スマートフォンの認証アプリ上に、一定時間ごとに変わるコードが表示される方式。 - 専用トークン
小型の専用機器の画面に表示されるコードを利用する方式。
二段階認証・多要素認証との関係
ワンタイムパスワードは、IDとパスワードによる通常のログインに加えて、追加の確認を行う「二段階認証」や「多要素認証」の手段としてよく利用されます。パスワードだけに頼らず、複数の要素を組み合わせて本人確認を行うことで、セキュリティを大きく高めることができます。
ワンタイムパスワードのメリット
最大のメリットは、パスワードの使い回しや漏えいによるリスクを大幅に減らせる点です。ネットバンキングやオンラインショッピング、企業の社内システムなど、重要な情報を扱うサービスを中心に、幅広く採用が進んでいます。
固定パスワードとの違い
従来の固定パスワードは、一度設定すると変更するまで同じ文字列を使い続けるため、どこかで一度漏えいしてしまうと、それ以降ずっと不正利用のリスクにさらされ続けます。これに対しワンタイムパスワードは、使用のたびに無効化されるため、漏えいの影響を最小限にとどめられるという根本的な違いがあります。
利用時の注意点
便利な仕組みである一方、コードを受け取るための携帯電話やアプリを紛失してしまうと、一時的にログインできなくなる場合があります。そのため多くのサービスでは、あらかじめ予備の連絡先を登録したり、緊急時の代替手段を用意したりするなど、万が一に備えた設定をしておくことが推奨されています。

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