PC-8801(ピーシーハチハチマルイチ)とは、1981年に日本電気(NEC)が発表した8ビットパソコンのことです。同年9月に発表され、12月に発売されました。その後展開されるPC-8800シリーズの初代機であり、日本のパソコン文化を育てた一台として知られています。
現実世界に例えると、PC-8801は多くの人が最初に乗った教習車のようなものです。この機種でプログラムを覚え、ゲームに熱中した世代が、後の技術者や作り手として育っていきました。
発売当時の仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 1981年9月(発売は同年12月) |
| CPU | Z80系の8ビットCPU |
| 言語 | N88-BASICを内蔵 |
| 位置づけ | PC-8800シリーズの初代機 |
電源を入れればBASICが動いた
当時のパソコンは、電源を入れるとすぐにプログラムを書ける状態で立ち上がりました。PC-8801に内蔵されていたN88-BASICもそのひとつで、雑誌に載ったプログラムを自分で打ち込んで動かす、という遊び方が広まりました。
PC-8801mkIISRが決定づけたもの
1985年に発表されたPC-8801mkIISRは、画像や音の表現力を大きく高め、ホビー向けパソコンとしての地位を決定的なものにしました。この機種を前提に作られたゲームが数多く登場し、シリーズの性格そのものを方向づけています。
PC-9801との住み分け
NECは同じ時期に、16ビットのPC-9801も展開していました。事務や業務にはPC-9801、趣味やゲームにはPC-8801という形で、二つの系統が並び立っていた時期があります。同じメーカーの製品が、異なる客層をそれぞれ抱えていたことになります。
雑誌とともに育った文化
この時代には、プログラムの一覧を丸ごと掲載したパソコン雑誌が数多く発行されていました。読者が自分で入力し、動かし、改造して投稿するという往復のなかで、作り手の裾野が広がっていきました。
役割を終えるまで
16ビット機の性能が上がり価格も下がってくると、8ビット機の居場所は次第に狭まっていきます。ホビー用途もPC-9801や家庭用ゲーム機へと移っていき、PC-8800シリーズはその役目を終えました。
記録に使われた媒体
この時代のプログラムやデータは、当初はカセットテープに記録されていました。読み込みに数分かかることも珍しくなく、途中で失敗すればやり直しです。後にフロッピーディスクが普及すると、扱いやすさが大きく変わりました。
今も残る愛着
販売が終わって長い年月が経ちますが、当時の実機を手入れしながら動かし続けている人や、パソコン上で当時の環境を再現して楽しむ人が今もいます。単なる古い機械としてではなく、文化の記録として扱われている一台だといえます。

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