パスワード(Password)

パスワード(Password)とは、本人だけが知っている文字列を示すことで、正当な利用者であると証明するための仕組みのことです。もっとも古くから使われ、いまも広く残っている本人確認の方法です。

現実世界に例えると、パスワードは入場のための合言葉のようなものです。知っていれば通れますが、裏を返せば、誰であっても知ってさえいれば通れてしまいます。ここに、この方式の限界があります。

強いパスワードの条件

条件 目安 理由
長さ 12文字以上 総当たりの手間が跳ね上がる
推測しにくさ 意味のある語を避ける 辞書から試されるため
使い回さない サービスごとに別 漏えいの被害を広げない
他人に教えない 家族にも渡さない 管理の責任が曖昧になる

いちばん効くのは長さ

優先順位を間違えないことが大切です。記号や数字を混ぜることより、文字数を増やすほうが、総当たりに対する強さは大きく上がります。短くて複雑なものより、長くて覚えやすいものを選ぶほうが実際には安全です。

定期的な変更は求められなくなった

考え方が変わった部分です。かつては数か月ごとの変更が推奨されていましたが、いまは推奨されていません。強制すると、末尾の数字を一つ増やすだけの安易な変更を招き、かえって弱くなるためです。漏れたときに変えるのが正しい対応です。

使い回しがいちばん危ない

もっとも大きな穴がここです。あるサービスから漏れた組み合わせを、別のサービスで片端から試す攻撃が広く行われています。どれだけ複雑にしても、使い回していれば一か所の漏えいがすべてに及びます。

管理ソフトに任せる

現実的な解決策です。サービスごとに異なる長い文字列を自動で作り、暗号化して保管してくれるソフトがあります。覚えるのは、そのソフトを開くための一つだけ。すべてを記憶しようとするより、はるかに安全に運用できます。

保管する側の責任

作る側の話も知っておくと役立ちます。まともなサービスは、パスワードをそのまま保管せず、元に戻せない形に変換して保存しています。「パスワードをお忘れですか」で元の文字列を教えてくるサービスがあれば、それは危険な兆候です。

パスワードだけに頼らない

いまの主流の考え方です。どれだけ強くしても、だまし取られれば意味がありません。だからこそ、多要素認証を重ねることが標準になりつつあります。パスワードは一枚目の壁にすぎない、と考えるのが実情に合っています。

使わない方向へ進んでいる

今後の流れです。パスキーのように、パスワードそのものを使わない仕組みが広がり始めています。覚える必要もなく、だまし取られる余地も小さい方式です。当面は併存しますが、少しずつ置き換わっていくと見られています。

あわせて知っておきたい用語

  • 多要素認証
    複数の手段を組み合わせて本人を確かめる仕組みです。
  • パスキー
    パスワードを使わずに本人確認をする仕組みです。
  • ハッシュ
    元に戻せない形へ変換する仕組みです。
  • 不正アクセス
    許可なく他人のシステムへ入り込む行為です。

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