フローチャート(Flowchart)とは、処理の流れを、決められた形の図形と矢印でつないで表した図のことです。日本語では「流れ図」と呼ばれ、プログラムだけでなく、業務の手順を整理する場面でも広く使われています。
現実世界に例えると、フローチャートは料理のレシピを図にしたもののようなものです。手順を上から順にたどり、「まだ煮えていなければもう5分」といった分かれ道も、線で示されます。文章で読むより、全体の見通しが立ちます。
フローチャート 図解
主な記号と意味
| 記号 | 意味 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 角の丸い四角 | 開始・終了 | 図の始めと終わり |
| 長方形 | 処理 | 計算や書き込みなど |
| ひし形 | 判断 | 条件で道が分かれる所 |
| 平行四辺形 | 入力・出力 | データの受け渡し |
記号は規格で決まっている
形は自由ではありません。国際的な規格で意味が定められており、日本でもJISとして規定されています。だからこそ、書いた人が違っても、説明なしに読めます。自己流の形を混ぜると、この利点が失われてしまいます。
三つの型で組み立てる
複雑に見える図も、要素は多くありません。上から順に進む「順次」、条件で分かれる「分岐」、同じ処理を繰り返す「反復」。この三つの組み合わせで、あらゆる処理が表せるとされています。まずこの型を意識すると、整った図になります。
プログラム以外でも使われる
用途は開発だけではありません。申請書の回付ルート、問い合わせを受けてからの対応手順、機械が動かないときの切り分け手順など、業務の整理に広く使われます。担当が変わっても手順が引き継げる、という効果が大きいところです。
書くと抜けが見つかる
これが実務での最大の利点かもしれません。分岐を書こうとすると「では、そうでない場合はどうするのか」を必ず決めなければならず、考え漏れがその場で表面化します。頭の中で考えているだけでは、都合の悪い枝はつい飛ばしてしまいます。
大きくしすぎない
ありがちな失敗があります。一枚にすべてを詰め込むと、線が交差して読めない図になります。用紙一枚に収まらなくなったら、まとまりごとに分け、別の図として切り出してください。読めない図は、無いのと変わりません。
近年は使い分けが進んだ
万能ではありません。細かい処理を一行ずつ図にするのは手間が大きく、プログラムそのものを読んだほうが早い場面も多いのが実情です。近年は、全体の流れや、関係者どうしのやり取りを示す目的に絞って使われることが増えています。
描く道具
紙とペンでも十分ですが、道具もあります。作図ソフトのほか、文章で書いた内容から図を自動で組み立ててくれる仕組みもあります。後者は変更に強く、修正のたびに線を引き直す手間が省けるため、開発の現場で好まれています。
あわせて知っておきたい用語
- UML:
システムの構造や動きを図で表す記法です。 - アルゴリズム:
問題を解くための手順や考え方です。 - 詳細設計:
プログラムの内部の作りを決める工程です。 - Microsoft Visio:
各種の図を作成するための作図ソフトです。


コメント