オンプレミス/オンプレ(On-premises)

オンプレミス(英:On-premises、略称:オンプレ)とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどのITシステムを、「自社の施設内(社屋やデータセンター)」に物理的に設置し、自前で運用・管理する形態のことです。

かつてはシステム開発といえばこの手法が当たり前でしたが、AWSやGoogle Cloudなどの「クラウド」が普及したことで、それらと対比する意味合いで「自社保有型」を指す言葉として使われるようになりました。

クラウドとの違い

ITインフラの構築手段として、オンプレミスとクラウドはよく比較されます。

項目 オンプレミス(自社保有型) クラウド(AWS・Google Cloudなど)
初期費用 サーバー機器の購入や設置工事費など、高額な初期投資が必要。 初期費用は不要(ゼロ円から始められる)。
導入スピード 機器の選定から見積もり、発注、納品、設置までに数ヶ月かかる。 ブラウザから数回クリックするだけで、数分でサーバーが使える。
自由度とカスタマイズ性 非常に高い。特殊な機器を繋いだり、独自のセキュリティ要件を満たすことが可能。 クラウド事業者が提供するサービスの範囲内に制限される。
保守・運用 故障時の部品交換や、停電・災害対策などをすべて自社で責任を持って行う。 物理的なハードウェアの故障対応はクラウド事業者が行う。

なぜ今でもオンプレミスが使われるのか?

クラウド全盛の現代でも、あえてオンプレミスを選択する(あるいはハイブリッド環境を構築する)ケースは少なくありません。そこには明確な強みがあります。

  • 極めて高いセキュリティ要件
    機密性の高い個人情報や国家機密、金融データなどを扱う場合、外部のクラウド事業者にデータを預けることが社内規定(または法律)で禁じられており、完全に閉じた自社ネットワーク内で運用する必要があるケースです。
  • 既存システム(レガシーシステム)との連携
    長年稼働している古い業務システムや、工場などの特殊なハードウェア(工作機械やセンサー等)と連携する必要がある場合、クラウドへの移行が技術的に難しいためオンプレミスが維持されます。
  • 長期的なコストメリット
    クラウドは「使った分だけ払う従量課金」のため、24時間365日、常に膨大なアクセスやデータ転送が発生し続けるような大規模システムの場合、長期的に見ると自前で機器を買ってしまった方が(減価償却を含め)安上がりになることがあります。

システム開発における重要キーワード

オンプレミス関連で頻出する用語です。

  • ハイブリッドクラウド(HybridCloud)
    「機密データは自社のオンプレミス環境に置き、Webサイトや計算処理はクラウドを使う」といったように、両方の良いとこ取りをして組み合わせたシステム構成のことです。
  • データセンター(DataCenter)
    サーバーやネットワーク機器を設置・運用することに特化した専用の施設です。自社ビル内にサーバー室を持たず、冷却設備や無停電電源装置(UPS)、厳重な入退室管理を備えた外部のデータセンターのスペース(ラック)を借りて、そこに自社のサーバーを設置する形態もオンプレミス(コロケーション)の一種です。
  • サイロ化
    オンプレミスのシステムが部署ごとに個別に構築・運用された結果、システム同士の連携ができず、データが孤立してしまっている状態を指します。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を阻む要因としてよく課題に挙がります。

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