ハイブリッドクラウド(HybridCloud)とは、自社専用の「プライベートクラウド」(またはオンプレミス環境)と、共用の「パブリッククラウド」を組み合わせて使う利用形態のことです。それぞれの長所を活かし、データや処理の性質に応じて置き場所を使い分けます。
現実世界でいえば、「自家用車とタクシーの使い分け」のようなものです。毎日の通勤や大切な荷物の運搬は自家用車(プライベート)で、繁忙期の増員や遠出はタクシー・レンタカー(パブリック)で——と使い分ければ、安心とコスト効率を両立できます。
3つのクラウド形態の比較
| 形態 | 特徴 | 例えると |
|---|---|---|
| パブリッククラウド | 共用型。低コストで俊敏だが、統制には限界がある。 | タクシー・バス |
| プライベートクラウド | 専用型。統制とセキュリティに優れるが、コストが高い。 | 自家用車 |
| ハイブリッドクラウド | 両者を連携させ、適材適所で使い分ける。 | 自家用車とタクシーの併用 |
典型的な使い分けの例
- 機密データは手元、処理はクラウド
個人情報や機密データはプライベート側に置き、分析処理や開発環境はパブリック側で行います。 - 繁忙期だけパブリックに拡張
通常は自社設備で運用し、アクセスが集中する時期だけパブリッククラウドに処理をあふれさせます(クラウドバースト)。 - 災害対策(DR)
普段は自社設備で運用し、バックアップや非常時の代替環境をパブリッククラウドに用意します。
導入時の課題
ハイブリッドクラウドの難所は「つなぎ目」の設計と運用です。プライベートとパブリックを安全につなぐネットワーク(専用線やVPN)、両環境にまたがるID・アクセス権の管理、監視やバックアップの一元化など、2つの環境を扱うぶん運用は複雑になります。近年は、この課題に対応する管理ツールやサービスも充実してきています。
あわせて知っておきたい用語
- パブリッククラウド:
AWSなど共用型のクラウド。ハイブリッドの片翼です。 - プライベートクラウド:
自社専用のクラウド。もう片翼にあたります。 - VPN:
2つの環境を安全につなぐ通信技術。ハイブリッド構成の要です。 - オンプレミス:
自社設備でシステムを持つ形態。ハイブリッドの一方を担うこともあります。

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