クライアント(Client)とは、ネットワーク上でサービスやデータを「要求する側」のコンピューターやソフトウェアのことです。要求を受けて応える側をサーバーと呼び、この2つが役割を分担してやり取りする仕組みをクライアントサーバーモデルといいます。
身近な例えでいえば、クライアントはレストランの客です。客(クライアント)が「これをください」と注文し、厨房(サーバー)が料理を作って提供します。客は作り方を知らなくても、注文すれば結果を受け取れます。これがクライアントとサーバーの関係そのものです。厨房の中でどんな調理が行われているかを客が知る必要はなく、必要なのは「注文する方法(決められた手順)」だけ、という点も重要なポイントです。
「クライアント」という言葉は、IT以外のビジネスの場面では「顧客・依頼主」という意味でも使われますが、ネットワークの世界では上記のように「サービスを受け取る側の機器やソフト」を指すのが一般的です。
クライアントとサーバーの違い
両者は対になる存在で、役割がはっきり分かれています。違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | クライアント | サーバー |
|---|---|---|
| 役割 | サービスを要求する | サービスを提供する |
| 具体例 | ブラウザ、メールソフト | Webサーバー、DBサーバー |
| 台数 | 多数(利用者ごと) | 少数で多数に対応 |
クライアントの種類
クライアントは、端末側でどれだけ処理を行うかによって呼び方が変わります。代表的なものは次のとおりです。
- ファットクライアント:端末側で多くの処理を行う一般的なPCなど
- シンクライアント:処理の大半をサーバーに任せ、端末は最低限の機能だけ持つ
- Webクライアント:ブラウザを通じてサービスを利用する形態
かつては端末側で処理を行うファットクライアントが主流でしたが、近年はクラウドの普及により、処理をサーバー側に集約するシンクライアント型の考え方も広がっています。データを端末に残さないためセキュリティ面で有利で、企業のテレワーク環境などで採用が増えています。
身近なクライアントの例
私たちが毎日使っているソフトの多くはクライアントです。Webサイトを見るブラウザ、メールを送受信するメールソフト、動画配信アプリなどは、いずれもサーバーに要求を送って結果を受け取っています。つまり、インターネットを使うほとんどの場面で、私たちはクライアントを操作していることになります。
スマートフォンのアプリも同じ仕組みです。SNSアプリで投稿を表示するとき、アプリ(クライアント)がSNSのサーバーへ「最新の投稿をください」と要求し、返ってきたデータを画面に並べています。このように、クライアントとサーバーの役割分担は、現代のあらゆるネットサービスの基本となる考え方なのです。この関係を理解しておくと、ネットワークやWebの仕組みを学ぶうえで全体像がつかみやすくなります。
あわせて知っておきたい用語
- サーバー(Server):
クライアントの要求に応えてサービスを提供する側 - ブラウザ(browser):
代表的なWebクライアント - プロトコル(protocol):
クライアントとサーバーの通信ルール

コメント