ユビキタス(Ubiquitous)とは、コンピューターやネットワークが生活のあらゆる場所に組み込まれ、利用者がその存在を意識することなく、いつでもどこでも情報サービスを受けられる環境や社会のことです。もとはラテン語で「至る所に存在する」という意味の言葉で、IT分野では「ユビキタスコンピューティング」の略として使われることが多くあります。
現実世界に例えると、空気や水道のような存在です。普段はその仕組みをまったく意識しませんが、蛇口をひねればいつでも水が出るように、身の回りの機器がさりげなくネットワークにつながり、必要な情報や機能を届けてくれます。使う側が技術の存在を忘れてしまえるくらい自然であることが、ユビキタスの理想とされています。
ユビキタス図解
ユビキタス社会とは
ユビキタス社会とは、家電や自動車、交通系ICカードなど、あらゆるモノにコンピューターが組み込まれ、それらが相互に通信し合うことで、人が特別な操作をしなくても便利なサービスを受けられる社会を指します。パソコンやスマートフォンに向き合って初めて使う従来のIT利用とは異なり、生活の背景に自然に溶け込んでいる点が特徴です。この考え方は1990年代にアメリカの研究者によって提唱され、その後の情報通信技術の発展とともに、より現実的な社会像として広まっていきました。
実現を支える技術
ユビキタス環境は、単一の技術ではなく、複数の技術の組み合わせによって成り立っています。
- センサー技術
温度や位置、動きなどの情報を検知する。 - 無線通信技術
Wi-FiやBluetoothなどで機器同士を結ぶ。 - 小型・省電力化技術
あらゆるモノに組み込めるほど小さく、電力消費を抑えたコンピューターを実現する。
ユビキタスの具体例
交通系ICカードをかざすだけで改札を通過できる仕組みや、スマートフォンでの非接触決済、家電をスマートスピーカーで操作する仕組みなどは、いずれもユビキタスコンピューティングの考え方が生かされた身近な例です。街中の自動販売機が在庫状況を自動で管理者に知らせる仕組みなども、同じ考え方に基づいています。
ユビキタスとIoTの違い
似た言葉に「IoT(Internet of Things)」がありますが、IoTはモノをインターネットに接続する技術そのものを指すのに対し、ユビキタスは、そうした技術によって実現される「意識せず便利さを享受できる社会や環境」という、より広い概念を指す言葉として使われます。つまりIoTはユビキタス社会を実現するための手段のひとつと位置づけることができます。
あわせて知っておきたい用語
- IoT(Internet of Things):
あらゆるモノがインターネットにつながる仕組みです。 - センサー:
温度や動きなどの情報を検知する装置です。 - M2M(Machine to Machine):
機器同士が人を介さず通信し合う仕組みです。 - クラウド:
ネットワーク経由でサーバーなどの資源を利用できる仕組みです。


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