WAN(Wide Area Network/ワン)とは、本社と支社、あるいは異なる都市や国など、地理的に離れた場所にあるネットワーク同士を結ぶ、広い範囲をカバーするネットワークのことです。「広域通信網」とも呼ばれ、家庭やオフィス内だけで完結するLANとは違い、遠く離れた拠点同士をつなぐ役割を担っています。インターネットは、このWANの代表的な例のひとつです。
現実世界に例えると、WANは都市と都市を結ぶ幹線道路や長距離電話回線のようなものです。それぞれの建物内だけで通じる内線電話(LAN)に対し、WANは建物の外へ出て、遠く離れた別の建物ともやり取りできる長い通り道を提供します。
WAN図解
WANの仕組み
WANは、通信事業者(キャリア)が提供する回線を使って、離れた場所にあるLAN同士を接続することで成り立っています。家庭やオフィス内のLANだけでは外部とやり取りできませんが、WANを介することで、異なる場所のネットワーク同士がまるでひとつにつながっているかのように通信できるようになります。
LANとWANの違い
| 項目 | LAN | WAN |
|---|---|---|
| 範囲 | 建物内など限られた範囲 | 都市・地域・国をまたぐ広い範囲 |
| 代表例 | 家庭内ネットワーク、社内LAN | インターネット、本支社間の専用線 |
インターネットとWANの関係
私たちが日常的に使うインターネットは、世界中の無数のWANが相互に接続し合ってできあがった、最も規模の大きいWANだといえます。一方で、特定の企業が本社と支社だけを結ぶために契約する専用のWANも存在し、こちらは外部と切り離された、限られた関係者だけが使うネットワークとなります。
企業でのWAN活用
複数の拠点を持つ企業では、本社と支社、工場などをWANで結び、社内システムやファイルサーバーを共有するケースがよく見られます。離れた拠点にいながら、まるで同じオフィスにいるかのように情報をやり取りできるため、業務の効率化に役立っています。
WANを支える回線の種類
WANを構築する方法にはいくつか種類があります。1本の回線をその企業だけで独占して使う専用線は安定していますが費用が高め、多数の利用者と回線を共有しながら仮想的に専用線のような環境をつくるIP-VPNは、比較的低コストで導入しやすい方式として広く使われています。
WANの速度と料金
WANは、通信事業者の公共インフラや長い距離を経由するため、同じ建物内で完結するLANに比べると、通信速度が遅くなりやすく、利用料金も高くなる傾向があります。近年は光回線をはじめとする通信インフラの高速化が進み、以前ほど速度差を意識しない場面も増えてきています。
WANのセキュリティ
WANは公共の回線やインターネットを経由してデータをやり取りすることが多いため、途中で通信内容を盗み見られたり、改ざんされたりするリスクがあります。そのため、VPNなどの技術でデータを暗号化し、安全に通信できる状態を保つことが重要視されています。
まとめ
WANは、離れた場所にあるネットワーク同士を結び、遠く離れた拠点間のやり取りを可能にする、広い範囲をカバーするネットワークです。普段何気なく使っているインターネットも、その正体はこのWANの集合体だと考えると、少し身近に感じられるかもしれません。


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