クラスタ(Cluster)とは、複数台のコンピューターを連携させ、あたかも一台の高性能なシステムであるかのように動作させる仕組みのことです。英語の「cluster」は「房」「集団」を意味し、複数の機器が集まってひとつのまとまりとして働く様子を表しています。
現実世界に例えると、一人では運べない大きな荷物を、複数人で力を合わせて運ぶチームワークのようなものです。一台ずつの力は限られていても、複数台が協力することで、より大きな仕事をこなせるようになります。
クラスタの目的
単に台数を増やすだけでなく、機器同士がお互いの状態を常に把握し合い、必要に応じて役割を引き継ぐ仕組みが組み込まれている点が、クラスタならではの工夫といえます。
クラスタを構築する主な目的は、システムの信頼性と処理性能を高めることです。一台の機器に障害が発生しても、他の機器が処理を引き継ぐことでシステム全体を止めずに済んだり、複数台で処理を分担することで、より多くの処理を同時にこなせるようになります。
クラスタの種類
目的に応じて、信頼性を重視するか、処理性能を重視するかで、選ぶべき構成の方向性が変わってきます。
- HA(高可用性)クラスタ
一台に障害が起きても、他の機器が処理を引き継ぎ、システムを止めない構成。 - 負荷分散クラスタ
複数台で処理を分担し、全体の処理性能を高める構成。
クラスタが使われる場面
近年注目される、コンテナと呼ばれる技術を効率よく運用するための管理ツールでも、複数台の機器をクラスタとしてまとめて管理する考え方が広く採用されています。
金融機関のオンラインシステムや、大規模なWebサービスなど、決して止まってはならないシステムや、膨大なアクセスを処理する必要があるシステムで、クラスタは広く活用されています。
クラスタ構築の課題
複数台の機器を連携させるクラスタは、単体のシステムに比べて構成が複雑になりやすく、導入や運用にも専門的な知識が必要です。また、機器を増やす分だけ費用もかさむため、必要な信頼性や性能に応じて、適切な規模を見極めることが重要です。
クラスタリングとの混同に注意
似た響きの言葉に、データ分析の手法である「クラスタリング」がありますが、こちらは似た性質を持つデータをグループ分けする分析手法であり、コンピューターを連携させるクラスタとは全く異なる意味を持つ言葉なので、混同しないよう注意が必要です。
普段は複数台がひとつのように振る舞っていることを意識する場面は少ないものの、私たちが日々使う多くのサービスの裏側を、こうした仕組みが支えています。

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