DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、ネットワークに接続してきたパソコンやスマートフォンに対して、IPアドレスなどの通信に必要な設定情報を「自動的に割り当ててくれる」仕組み(プロトコル)です。
私たちがカフェや自宅でWi-Fiに繋ぐ際、手動で難しいネットワーク設定(IPアドレスやDNSの入力)をしなくてもすぐにインターネットが使えるのは、ルーターの裏側でこのDHCPが働いてくれているおかげです。
手動設定(静的IP)との違い
ネットワークに機器を繋ぐ際のIPアドレスの決め方には、DHCPを使った「自動」と、人間が決める「手動」の2種類があります。これをホテルや住居に例えると以下のようになります。
| 割り当て方式 | 特徴と用途 | 現実世界に例えると |
|---|---|---|
| DHCP(動的IP) 自動割り当て |
接続するたびに空いているIPアドレスが自動で貸し出される。スマホや個人のPCなど、一時的な利用(出入りが激しい機器)に向いている。 | ホテルのチェックイン (フロントで空いている部屋の鍵を自動的に渡される) |
| 静的IP(固定IP) 手動設定 |
管理者が手作業で特定のIPアドレスを固定して設定する。勝手に住所が変わると困るサーバーやプリンターで利用する。 | 戸建て住宅の購入 (住所が固定され、外部からの郵便や訪問者が確実に届く) |
DHCPが配っている「4点セット」
DHCPは単にIPアドレス(住所)を渡しているだけではありません。通信を成立させるために必要な以下の「4点セット」をまとめて機器に教えてくれています。
- IPアドレス: あなたのネットワーク上の住所(例:192.168.1.15)
- サブネットマスク: どこまでが「同じネットワークの範囲内か」を示す情報
- デフォルトゲートウェイ: 外の世界(インターネット)へ出るためのルーターの住所
- DNSサーバー: 「google.com」などをIPアドレスに変換してくれる電話帳の住所
システム開発における重要キーワード
インフラ構築や社内ネットワークの設計において、DHCPに関連して頻出する用語です。
- アドレスプール(Address Pool):
DHCPサーバーが「貸し出し用としてストックしているIPアドレスの範囲」のことです。例えば「192.168.1.100 〜 200までの100個を貸し出し用にする」と管理者が設定します。ここが枯渇すると、新しい機器がWi-Fiに繋がらなくなります。 - リースタイム(Lease Time / 貸出期間):
DHCPによって割り当てられたIPアドレスの「有効期限」のことです。期限が切れる前にパソコンは自動的に「延長申請」を行いますが、ネットワークから切断されたまま期限が過ぎると、そのIPアドレスは回収され、別の機器に貸し出されます。 - DHCP予約(IP・MACアドレス紐付け):
DHCPの便利な自動化を活かしつつ、「特定の機器(特定のMACアドレスを持つプリンターやNASなど)が繋がってきた時だけは、必ずいつも同じIPアドレスを貸し出す」ように特別扱いする設定のことです。

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