クロスケーブル(Cross Cable)とは、パソコン同士など、同じ種類の機器を直接つなぐために、内部の配線を交差させて作られたLANケーブルのことです。ハブやルーターを介さずに、2台の機器を1本のケーブルだけで通信させることができます。
現実世界に例えると、クロスケーブルは右手と右手で握手できるように工夫された特殊な手袋のようなものです。通常は向かい合う相手と組み合う形が前提ですが、同じ形同士でもうまくかみ合うよう、あらかじめ配線がひねられています。
ストレートケーブルとの違い
| 種類 | 主な用途 |
|---|---|
| ストレートケーブル | パソコンとハブ・ルーターなど、異なる機器同士の接続 |
| クロスケーブル | パソコン同士など、同じ種類の機器同士の直接接続 |
なぜ配線を交差させる必要があるのか
ネットワーク機器は、データを送信する線と受信する線が決まっています。パソコンとハブのように役割の異なる機器同士なら、そのままのケーブルでかみ合いますが、パソコン同士のように同じ役割の機器をつなぐ場合、送信と受信の線を入れ替えないと、うまく通信が成立しません。
主な活用場面
クロスケーブルは、2台のパソコン間で直接ファイルをやり取りしたいときや、ネットワーク機器を導入する前の簡易的な動作確認を行いたいときなどに使われてきました。ハブやルーターを用意する必要がない手軽さが利点です。
見た目での見分け方
クロスケーブルとストレートケーブルは、外見上はほとんど区別がつかず、コネクタ部分の配線の並び順を確認しないと判別できないことが多いため、購入時や保管時にはラベルなどで区別しておくことが重要です。
Auto MDI-Xの登場による変化
近年の多くのネットワーク機器には、接続されたケーブルの種類を自動で判別し、必要に応じて内部で送受信を調整する「Auto MDI-X」という機能が搭載されています。この機能のおかげで、クロスケーブルとストレートケーブルのどちらを使っても、正しく通信できる環境が増えています。
今も知識として必要な理由
Auto MDI-Xに対応していない古い機器や、一部の特殊な用途の機器では、依然としてケーブルの種類を正しく選ぶ必要があります。ネットワークのトラブルシューティングの基礎知識として、今も押さえておく価値のある内容です。
作成する際の規格
クロスケーブルを自作する場合は、片方の端を「T568A」、もう片方の端を「T568B」という異なる配線規格で結線するのが一般的な方法です。この組み合わせにより、送受信の線が正しく入れ替わります。
まとめ
クロスケーブルは、同じ種類の機器同士を直接つなぐための、配線を工夫したLANケーブルです。自動判別機能の普及で意識する機会は減りましたが、ネットワークの基本を理解するうえで欠かせない知識です。

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