DDoS攻撃(Distributed Denial of Service攻撃)とは、多数のコンピューターから標的のサーバーやネットワークに対して同時に大量のデータや通信要求を送りつけ、本来のサービスを利用できない状態に追い込むサイバー攻撃のことです。日本語では「分散型サービス拒否攻撃」と呼ばれます。
現実世界に例えると、あるお店に大勢の人が一斉に押しかけ、通路や窓口をふさいでしまい、本来来店したかった普通のお客さんが店に入れなくなってしまうような状況です。押しかけた人たちは店の商品を買う気があるわけではなく、店の機能そのものを麻痺させることが目的です。押しかける人数が多いほど、店側は本物の客と迷惑な客を見分けることが難しくなります。
DDoS攻撃 図解
DDoS攻撃の仕組み
攻撃者は、あらかじめウイルスなどに感染させた多数のコンピューターやIoT機器(ボットネットと呼ばれる)を遠隔操作し、これらすべてから同時に標的のサーバーへ通信を送りつけます。一つ一つの通信は正規のアクセスと見分けがつきにくいものの、それが同時に大量に集まることで、サーバーの処理能力や回線の容量を超えてしまい、正常な利用者からのアクセスに応答できなくなります。攻撃に利用される機器の持ち主自身が、加害に加担していることに気づいていないケースも少なくありません。
DoS攻撃との違い
似た言葉に「DoS攻撃」がありますが、両者には攻撃元の数という明確な違いがあります。
| 用語 | 特徴 |
|---|---|
| DoS攻撃 | 単一のコンピューターから行われる攻撃。攻撃元を特定・遮断しやすい。 |
| DDoS攻撃 | 多数のコンピューターから分散して行われる攻撃。攻撃元の特定や遮断が難しい。 |
DDoS攻撃の主な種類
- フラッド攻撃
大量の通信データを送りつけ、回線やサーバーの処理能力を圧迫する手法。 - 脆弱性を突く攻撃
サーバーやソフトウェアの弱点を利用し、少ない通信量でも大きな負荷を与える手法。
対策方法
DDoS攻撃への対策としては、不審な通信を検知して自動的に遮断する専用のセキュリティサービスの導入や、CDN(コンテンツ配信網)を利用して通信の負荷を複数のサーバーに分散させる方法などが広く用いられています。攻撃を完全に予防することは難しいため、被害を受けることを前提に、早期発見と迅速な対応の体制を整えておくことが重要です。近年は、企業だけでなく政府機関や公共サービスも標的になるケースが増えており、社会インフラを守るうえでも重要な対策のひとつとなっています。攻撃の規模も年々拡大しており、想定される被害の大きさに応じた備えが求められています。
あわせて知っておきたい用語
- DoS攻撃:
単一のコンピューターから行われるサービス妨害攻撃です。 - ボットネット:
ウイルスなどに感染し、遠隔操作される複数のコンピューターで構成されるネットワークです。 - ファイアウォール:
不正な通信を検知・遮断するための仕組みです。 - サイバー攻撃:
コンピューターやネットワークを標的とした攻撃全般を指す言葉です。


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