SKILL.md(スキル・エムディー)

SKILL.mdとは、AIエージェントに特定の作業の進め方を教えるためのファイルです。「エージェントスキル(Agent Skills)」と呼ばれる仕組みの中心となるもので、資料の作り方や決まった業務の手順などをまとめて記述しておくと、AIが必要な場面でその手順を読み込んで実行してくれます。

イメージとしては、SKILL.mdは専門作業の手順書です。棚に何冊もの手順書を並べておき、必要になったときだけ該当する1冊を取り出して読む——AIも同じように、目の前の作業に関係するスキルだけを選んで参照します。

この「必要になったときだけ読み込む」という設計は、段階的開示(プログレッシブ・ディスクロージャー)と呼ばれます。起動時にはすべてのスキルの名前と概要だけを把握しておき、実際に使う段になって中身を読むことで、無駄なく多くの知識を扱えるようになっています。

SKILL.mdの構成

SKILL.mdは大きく2つの部分から成り立っています。整理すると次のとおりです。

部分 内容 役割
フロントマター 名前と説明を記した情報欄 いつ使うかの判断
本文 実際の手順や注意点 作業の指示

冒頭の情報欄には、区切り記号で囲まれた形でname(名前)description(説明)を記します。この2つは必須で、特にdescriptionには「何をするスキルなのか」と「どんなときに使うのか」の両方を書くことが求められます。AIはこの説明文を手がかりに、使うべき場面かどうかを判断するためです。

スキルの置き場所

スキルは、SKILL.mdを含む1つのフォルダとしてまとめられます。フォルダ名とnameに書いた名前は一致させる必要があり、ずれていると正しく読み込まれません。フォルダの中には、SKILL.md以外に補助的な資料や実行用のスクリプトを一緒に置くこともでき、より複雑な作業にも対応できます。

SKILL.mdが注目される理由

SKILL.mdの価値は、AIの能力をあとから追加・拡張できる点にあります。AI本体を作り変えなくても、手順書を1つ加えるだけで新しい作業をこなせるようになります。しかも書くのは普通の文章なので、プログラマーでなくても自分の業務手順をAIに教えられます。

この形式は特定の製品にとどまらず、複数のAI開発ツールで扱える共通の仕組みとして広がりつつあります。一度書いた手順書をさまざまな環境で活かせる点も、注目を集めている理由です。

CLAUDE.mdとの使い分け

似たファイルにCLAUDE.mdがありますが、役割は異なります。CLAUDE.mdがプロジェクト全体に常に適用される「基本ルール」であるのに対し、SKILL.mdは特定の作業のときだけ呼び出される「専門の手順書」です。常に守ってほしい決まりごとはCLAUDE.mdへ、特定の場面でのやり方はSKILL.mdへ——と分けておくと、それぞれが役割を果たしやすくなります。

あわせて知っておきたい用語

  • CLAUDE.md
    プロジェクト全体のルールを伝えるファイル
  • AIエージェント
    自律的に作業を進めるAI
  • マークダウン(Markdown)
    記号で見出しや装飾を表す記法

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