VPC(Virtual Private Cloud/仮想プライベートクラウド)

VPC(Virtual Private Cloud/仮想プライベートクラウド)とは、他の利用者と共用しているクラウドの設備の中に、自分だけが使う仕切られたネットワークを切り出したもののことです。同じ設備の上にありながら、他人の通信と混ざることはありません。

現実世界に例えると、VPCは大きな貸しビルの中の一区画のようなものです。建物も電気も水道も他社と共用ですが、借りた区画には鍵がかかり、間取りも出入口も自分で決められます。隣の会社から中は見えません。

何を自分で決められるか

決めること 内容
アドレスの範囲 使う番号の帯 10.0.0.0/16
サブネット 区画をさらに分ける 公開用と非公開用
経路 通信をどこへ流すか 外向けの出口
通す通信 許可する相手と種類 特定の番号だけ

なぜ必要なのか

クラウドの設備は多くの利用者で共用しています。仕切りがなければ、他人のサーバーと同じネットワークに並ぶことになり、業務のデータを置くにはあまりに無防備です。VPCは、共用の設備の上に自分専用の壁を立てるための仕組みだといえます。

公開する場所としない場所を分ける

使い方の基本がこれです。インターネットから直接つながる区画と、そこからしか入れない奥の区画に分け、データベースは奥に置きます。表に立つサーバーが破られても、その先へ進みにくくなる。この二段構えが定石になっています。

社内とつなぐ

会社のネットワークの延長として扱えます。VPNや専用線でつなげば、社内から見て「もう一つの拠点」のように使えます。インターネットに公開しないまま、社内の端末からだけ触れるサーバーを置く、という構成が取れます。

アドレスの範囲は慎重に決める

あとから後悔しやすいのがここです。社内のネットワークと同じ番号の帯を選んでしまうと、つないだ途端に通信が成り立たなくなります。作り直しは影響が大きいため、社内で使っている範囲を調べてから、重ならない帯を選んでください。

事業者ごとの呼び方

名称には違いがあります。AWSGoogle Cloudでは「VPC」、Azureでは「仮想ネットワーク(VNet)」と呼ばれます。名前は違っても、共用の設備の中に自分専用のネットワークを切り出すという考え方は共通です。

作っただけでは外とつながらない

初めて触る人がつまずく点です。VPCを作り、その中にサーバーを立てても、それだけではインターネットに出られません。外向けの出口を用意し、経路の表に書き、通す通信を許可する。この三つがそろって初めて通信できます。

費用のかかり方

VPCそのものは、たいてい無料です。費用が発生するのは、外向けの出口や専用線といった付随する仕組みと、外へ出ていく通信量のほうです。使っていない出口を作ったまま放置すると、思わぬ請求につながることがあります。

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