RS-232C(アールエスにさんにシー)とは、コンピュータと周辺機器を1対1でつなぎ、データを1ビットずつ順番に送るシリアル通信の規格のことです。1960年代に生まれた歴史の長い規格で、USBが普及する以前は、モデムやマウスなどをパソコンにつなぐ標準的な方法でした。
現実世界でいえば、2地点を結ぶ「昔ながらの直通電話線」のようなものです。最新の高速道路(USBなど)に比べると速度はゆっくりですが、仕組みが単純で確実なため、今でも工場の製造装置や計測機器、ネットワーク機器の設定用ポートなど、「確実さが最優先」の現場で現役で使われています。
RS-232Cの仕組み
RS-232Cは、データを1ビットずつ直列に送る「シリアル通信」を行います。送信用と受信用の信号線が分かれており、双方向の通信が可能です。通信する両者は、あらかじめ「1秒間に送るビット数(ボーレート)」などの設定を合わせておく必要があります。コネクタには9ピンの「D-Sub 9ピン」がよく使われます。
USBとの違い
現在の主流であるUSBと比べると、それぞれの性格がよく分かります。
| 規格 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| RS-232C | 低速だが仕組みが単純で確実。1対1の接続で、長めのケーブルにも対応。 | 産業機器・機器の設定用 |
| USB | 高速で給電もでき、多数の機器をつなげる。現在の標準規格。 | パソコンの周辺機器全般 |
今も使われ続ける理由
家庭用のパソコンからはほぼ姿を消したRS-232Cですが、産業の現場では今も広く現役です。理由は、仕組みが単純で動作が安定していること、古い機器との互換性を保てること、そしてトラブル時の原因究明がしやすいことです。工場の装置や医療機器、POSレジ、ルーターの保守用ポートなど、「派手さより確実さ」が求められる場面で生き続けています。パソコン側にポートがない場合は、USBに変換する「USB-シリアル変換ケーブル」を使って接続します。


コメント