VLAN(ブイラン、Virtual Local Area Network)とは、1つの物理的なネットワーク機器の中を、ソフトウェアの設定によって複数の独立したネットワークに仮想的に分ける技術です。実際には同じ機器につながっていても、まるで別々のネットワークであるかのように扱えます。
現実世界でいえば、1つの大部屋を間仕切り(パーティション)でいくつかの区画に分けるようなものです。壁を新たに建てなくても、パーティションを置くだけで「営業部の区画」「経理部の区画」と分けられ、それぞれが独立した部屋のように使えます。VLANも、機器を増やさずにネットワークを分けられます。
VLANの仕組み
通常、ネットワークを分けるには機器(スイッチ)を物理的に分ける必要があります。VLANでは、スイッチの設定で「このポートはAグループ、こちらはBグループ」とラベルを付けることで、1台の機器の中を論理的に区切ります。同じVLANに属する機器同士は通信できますが、別のVLANとは、原則として直接やり取りできません。
物理的な分割との違い
ネットワークを分ける方法として、機器を分ける方法とVLANを比べてみましょう。
| 種類 | 特徴 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 物理的に分割 | ネットワークごとに機器や配線を分ける。分かりやすいが、機器が増え費用もかかる。 | 部屋ごとに壁を建てる |
| VLAN | 1台の機器の中を設定で分ける。機器を増やさず柔軟に分割・変更できる。 | 間仕切りで区画を分ける |
VLANのメリット
VLANは、ネットワークを効率よく管理するために広く使われています。
- 機器を増やさず分けられる
1台のスイッチで複数のネットワークを作れ、機器の数や費用を抑えられます。 - セキュリティが高まる
部署ごとにネットワークを分けることで、他部署からの不要なアクセスを防げます。 - 変更が柔軟
配線を変えずに設定だけでグループを変えられ、席替えや組織変更にも対応しやすいです。 - 通信の混雑を抑えられる
ネットワークを小さく分けることで、無駄な通信の広がりを抑えられます。
VLANが使われる場面
VLANは、オフィスや学校、データセンターなど、多くの人や機器が同じネットワーク設備を共有する場所で広く使われています。「部署ごと」「用途ごと」にネットワークを分けて、セキュリティを保ちつつ効率よく運用するのが代表的な使い方です。規模の大きなネットワークを整理して管理するうえで、欠かせない技術となっています。

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