LTE(エルティーイー/Long Term Evolution)とは、携帯電話のデータ通信を高速化するために作られた通信規格のことです。名前は「長期的な進化」を意味し、それまでの3Gを段階的に発展させていく道筋として設計されました。現在も4Gの名で広く使われています。
現実世界に例えると、LTEは渋滞していた道路を拡幅した工事のようなものです。まったく新しい道を一から通すのではなく、既存の路線を活かしながら車線を増やし、流れをよくする。そうした発展のさせ方が選ばれました。
生まれた経緯
もとはNTTドコモが2004年に「Super 3G」として提唱した構想が出発点です。その後、携帯電話の規格を定める国際的な団体で標準化が進み、2009年に仕様がまとまりました。日本では2010年12月、ドコモが「Xi(クロッシィ)」の名で提供を始めています。
世代ごとの位置づけ
| 世代 | 速度の目安 | 普及した時期 |
|---|---|---|
| 3G | 数Mbps程度 | 2000年代 |
| LTE(4G) | 数十〜数百Mbps | 2010年代 |
| 5G | 数Gbps規模 | 2020年代 |
「4G」と呼ばれるようになった事情
ここが少しややこしいところです。本来、国際的に定められた4Gの基準を満たすのは、LTEをさらに発展させたLTE-Advancedの方でした。しかし市場での混乱を避けるため、2010年12月に国際機関がLTEなども4Gと呼んでよいとする見解を出し、以後「4G LTE」という表示が広まりました。
データ通信に振り切った設計
LTEは、音声通話ではなくデータ通信を主役に据えて設計された点が、それまでの世代と大きく異なります。すべての情報をデータとして扱う方式に統一したことで、無駄を省き、速度と効率を高めることに成功しました。
通話はVoLTEで行う
データ通信に特化したため、音声通話もデータとして流す「VoLTE」という仕組みが用意されました。従来より音質がよく、通話しながらのデータ通信も快適に行えます。導入されるまでは、通話のときだけ3Gに切り替える方式が取られていました。
いまも主役を支えている
5Gが登場した後も、LTEの役目は終わっていません。5Gの電波が届かない場所ではLTEに切り替わって通信が続く仕組みになっており、全国をくまなく覆う土台として働いています。人口の少ない地域や屋内では、実際にはLTEでつながっている場面が数多くあります。
3Gの終了とLTEへの一本化
国内の携帯各社は順次3Gの提供を終えており、2026年3月末をもって、日本の3Gサービスはすべて終了しました。古い携帯電話が使えなくなる一方で、空いた電波をLTEや5Gに回せるようになり、通信の効率は上がっています。
格安SIMとの関係
自社で設備を持たない事業者も、大手から回線を借りてLTEのサービスを提供しています。同じ電波を使っているため、つながる範囲は大きく変わりません。ただし混雑する時間帯の速度には、借りている量の差が現れることがあります。

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