Low-Code(ローコード)

Low-Code(ローコード)とは、プログラムのコードを最小限しか書かずにソフトウェアを開発できる手法・ツールのことです。画面部品をマウスで配置するような視覚的な操作を中心にしながら、必要な部分だけ従来通りのコードを書き足せる点が特徴です。

現実世界に例えると、ローコードは既製の家具をベースにした部分オーダーメイドのようなものです。棚や引き出しなど大部分は既製品を組み合わせて済ませつつ、サイズや細部だけは職人に手作業で調整してもらう、といった柔軟さがあります。

ローコードの特徴

ローコード開発では、画面のレイアウトやデータの流れの多くをドラッグ&ドロップなどの視覚的な操作で組み立てられます。それだけでは表現しきれない複雑な業務ロジックや、外部システムとの細かい連携部分については、従来のプログラミング言語でコードを追加できるため、ゼロからすべてを書く開発に比べて大幅に工数を減らせます。

ノーコードとの違い

混同されやすい言葉にノーコード(No-Code)があります。両者はどちらもコードを書く量を減らす点で似ていますが、目指す方向性が異なります。

項目 ローコード ノーコード
コードの記述 一部で必要になる 基本的に不要
カスタマイズ性 比較的高い 用意された機能の範囲内
主な利用者 エンジニアや技術に明るい担当者 非エンジニアの現場担当者

代表的なローコードツール

業務システム向けにはMicrosoftのPower Apps、より大規模な開発にも対応するOutSystemsMendixなどが知られています。用途に応じて、社内の簡易ツール作成から基幹システムの一部まで、幅広い規模の開発に対応するサービスが提供されています。

開発の流れ

一般的なローコード開発では、まず画面デザインをテンプレートや部品の組み合わせで作成し、次にデータベースとの連携やボタンを押したときの動作を、設定画面や簡易な記述で組み立てます。複雑な条件分岐や外部APIとの連携が必要な箇所だけ、追加のコードを書いて補うという流れが一般的です。

メリット

最大の利点は開発期間の短縮です。定型的な画面や処理をゼロから作る手間が省けるため、企画から公開までのスピードが大きく上がります。また、専門的なプログラミング知識がなくても一定レベルの開発に参加できるため、エンジニア不足の解消や、現場の担当者自身による内製化にもつながります。

デメリット・注意点

一方で、ツールが用意する機能の範囲を超えた独自の要件には対応しづらいという制約があります。特定のツールに依存して開発を進めるため、そのサービスの提供が終了したり大幅に仕様変更されたりすると、作り直しが必要になるベンダーロックインのリスクも考慮しておく必要があります。

セキュリティ・ガバナンス上の注意

ローコードによって多くの人がアプリを作れるようになる一方、誰がどのようなアプリを作り、どんなデータを扱っているかを管理者が把握しづらくなるという新しい課題も生まれます。個人情報を扱うアプリが管理部門の目が届かないまま社内に広がることのないよう、利用ルールやアクセス権限を組織としてあらかじめ整えておくことが重要です。

市民開発者という考え方

ローコードの普及とともに広まった考え方が「市民開発者(シチズンデベロッパー)」です。これは、専門のエンジニアではない現場の社員が、業務で使う簡易的なアプリやツールを自ら作り出すという発想を指します。ローコードは、こうした非エンジニアによる開発を技術面から支える基盤としての役割も担っています。

あわせて知っておきたい用語

  • No-Code(ノーコード)
    コードをまったく書かずにアプリを開発できる手法です。
  • プログラミング言語
    コンピューターへの指示を記述するための言語全般を指します。
  • フレームワーク
    開発をあらかじめ効率化しておくための、土台となる仕組みです。
  • API
    ローコードツールが外部サービスと連携する際に使われる接続の窓口です。

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